伝えるということ
私の母=ヒメは2年前から両耳難聴である。
ゆっくりとした低音の言葉はかろうじて聞こえるらしいが、私の気持ちがエスカレートして高くなっていく私の声はなかなか伝わらない。
聞こえないので一方的に話してくる。私が伝えようとしていても遮って話しかける。
筆談のほうが確実なんだろうが、書くのが手間なので、デジタル機器の音声筆記に頼る。
これがなかなかすぐに表示してくれなくて結局すれ違う。
言葉がすれ違うよりも、根本的に想いがすれ違っていた。
私とヒメの性格というか個性というか、時間の捉え方が違っている。
私は「頼まれたら今すぐ行動」なのだが、
ヒメは「2年か3年かそのうち来るかもしれない未来を頼む」だった。
まあみんな違うものなんだろうけど、それを今の今まで気づけなかった。
親子歴が50年になろうと、他人の心の内なんて、完全に理解することは難しい。
また伝えたいことを伝わらないと憤っている自分も、無駄なことだなと理解する。
ヒメにとっては大仕事の不動産売却、それに向かうための引越準備の真っ最中。
先に控えたもうひとつの不動産の処分についてを、ヒメの気持ちとGOサイン待ちで、手伝うこととなる。気長に待つことにする。
伝えるということ
私はこれが得意らしいが長所は短所にもなり、ときに多くの失敗もする。
失敗をしてへこたれる、今がまさにそうである。
けれど私は伝えることを辞めちゃいけないと思っている。
相手がどう感じたって、伝え続けていくこと辞めちゃいけないと思っている。
どんな手法であれ、伝え続けていきたいと思っている。
「伝える仕事募集中です!」笑
へこたれているときは集中できることをする。
新生姜の甘酢漬け、神楽南蛮味噌、マスクを作る。ご飯のお供が増える一方・・・。