ひきだし2 母

母方の祖母はいわゆるイタコで神や仏をおろしていた。
祖母の神といえば天香山尊、越後一宮の彌彦神社の主神である。
祖母はイタコの家系なのか、祖母の母も、祖母の姉も家で神事をしていた。
そんな中で育った母は神事の跡継ぎを嫌っていた。
そして神に訊いた縁を繋いで、好きでもない父と結婚した。
父はともかく、3人の子に出会えたことは嬉しく思っているらしい。
母は苦労人だった。
自分のやりたい仕事を祖母と父にやめさせられ、専業主婦になる。
亭主関白の父の声なき声に支配される。
詐欺騒動で離婚し、実家に帰って祖母と兄の介護をすることになる。
兄、祖母を亡くし、火事で息子を亡くす。
もともと難聴だったが、もう片方が突発性難聴で聞こえなくなる。
70歳過ぎてから弟の住む都会への引越しを決断し、都会の耳鼻科にかかる。
そんな中で私は母に寄り添ってきたつもりだ。喧嘩もしたが母との会話は多かったと思う。
祖母の影響で、私は神仏や世界の成り立ちみたいなところに興味があった。
母とは精神世界の話もいろいろした。
祖母のすることに憧れてはいたが、自分になにかできるというわけではない。が、精神世界を好む友人知人は多くいるので、占いや癒し系のマルシェ的企画を何回も開催した。
時代にしたらとある霊能者の番組が流行っていた頃だ。ブームにのって客入りは上々だった。
セラピストギルドから東北震災、そしてハートカフェパートナーズへ。
おおよそ7年間の活動を思い出す。
以前の繋がりからまた新しい縁を結び、最近またほんのりと、そんな繋がりが増えてきている。
母が引越してから、母の兄の不動産、弥彦の実家の神棚仏壇墓やいろいろを始末したので、弥彦に行く機会も減ったが、私にとっては弥彦は聖地である。
これが私と母との関係性だ。
2026.4.20